Elveflow 空圧式マルチチャネルポンプ
マイクロ流体フローコントローラー
(OB1 MK4)elveflow

  • 空圧式により精度の高い注入/吸引制御が可能
  • フローセンサーと併用することでより正確な送液制御が可能
  • ピエゾ制御により他に類のない正確さと制御応答を実現
  • 使用状況に合わせたカスタマイズ対応可

OB1は最大4チャネルの流路にそれぞれ-900mbarから8barの圧力送液制御を行うことができます。
OB1 MK4はピエゾ式制御により他社のコントローラーよりもより速く、またより安定した制御を提供することができます。

MFS または BFS フローセンサーをOB1 MK4に接続することで迅速で、正確な流量制御が可能になります。ソフトウェアのPIDアルゴリズム が流速を感知、目的の流速に到達するように素早く圧力制御を行います。

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マイクロ流体フローコントローラー基本構成(オプション:流量センサー含む)

マイクロ流体フローコントローラー基本構成

マイクロ流体における空圧制御の利点

- 微量空間においては精度高い流量制御が求められます -

  • 短いセトリング時間(最短40ms)
  • 安定、低脈動
  • 数リッターレベルでの連続したサンプル制御が可能
  • フローメーターを利用することで、流量と圧力制御が可能
マイクロ流体における空圧制御の利点

ポンプ仕様

OB1 MK4 チャネル圧力範囲 0~200mbar 0~2,000mbar 0~8,000mbar -900~1,000mbar -900~6,000mbar
圧力安定※1 0.005%FS10µbar 0.005%FS100µbar 0.006%FS500µbar -900~500mbar -900~2,000mbar
0.005%FS100µbar 0.005%FS350µbar
500~1,000mbar 2,000~6,000mbar
0.007%FS 150µbar 0.007%FS525µbar
反応時間※2 最短9ms
安定時間※3 最短35ms
最小圧力増加 0.006%FS12.2µbar 0.006%FS122µbar 0.006%FS480µbar 0.0064%FS122µbar 0.0061%FS420µbar
インプット圧力 1.5bar~10bar
腐食性、爆発性がなく、ドライでオイルフリーのガスを使用例:空気、アルゴン、窒素、CO2
インプット吸引※4 - 0~-1bar
液体互換性 コントローラーへの液体供給は不可

電力消費量最大12W
サイズ:240㎜x223㎜x80㎜
重量1.7~3.4kg

※1高性能圧力センサー(Druck DP150)を使用して測定
※2使用するPCにもよる
※3:測定方法にもよる。0~200mbarの条件下で12mlのリザーバーで測定
※4:吸引チャネルは吸引源なしで使用でき、吸引チャネルが存在しなければ吸引インプットはそのまま開放して使用

バルブ

ディストリビューションバルブ

12/1回転式双方向バルブ

リサーキュレーションバルブ

6ポート/2ポジションバルブ

バルブ&バルブコントローラー

最大8つのバルブを個々に制御

センサー&検知器

アクセサリー

リザーバータンク

様々な容量に対応したリザーバータンク

オンチップ リザーバー

試薬の使用量を節減

4チューブホルダー

スタンド付きリザーバータンク

フィッテイング各種

マニフォールド13

最大12のポートにガス、液体を均等に分割

PEEKバブル リムーバー

チューブ内の気泡を除去

ソフトウェア

アプリケーション例

その他装置を組み合わせることで、要求実験に応じた制御系システムを提供することができます。

  • Case 1: 脂質ナノ粒子の合成
  • Case 2: マイクロ流体空間トランスクリプトーム
  • Case 3: インジェクションバルブ(連続的なかん流培養などに)
  • Case 4: かん流培養
  • Case 5: 液滴生成

Case 1: 脂質ナノ粒子の合成

Elveflowの脂質ナノ粒子(lipid nanoparticle)合成システム はマイクロ流体を初めて利用する研究者や脂質ナノ粒子(Lipud nanoparticle:以下LNP)を簡単に作成したい研究者向けに装置をそろえたコンプリートシステムです。(コンプレッサーは別売)

空圧式の送液制御システムにより、数µL/min ~十数mL/minの幅広い範囲の流速を制御し、µL~L単位での生産を可能にし、脂質ナノ粒子(LNP)、固体脂質ナノ粒子(SLN)、ナノリポソームなどを作成することができます。

脂質ナノ粒子合成になぜマイクロ流体デバイスを利用するのか?

以前からLNPの作成はバルク処理方法(沈殿、エマルジョン、溶媒蒸発そして超音波処理)を経て作られてきましたが、これらの方法は再現性に乏しく粒子の均一化に難点がありました。これは臨床試験や医薬品開発の製造段階で大きな問題となりました。マイクロ流体デバイスによるLNP合成方法として下記の点で非常に有効な手段として多くの注目を集めています。

  • 混合時間の軽減
  • 均一化の向上
  • 高い単分散性:多分散度指数(PDI)は0.2以下
  • 連続生産、ハイスループットに対応
  • 自動ナノ粒子生産
  • 高い再現性
  • 同一システムでµL~L単位での生産が可能。
どのようなナノ粒子を作成できるのか?

Elveflowの脂質ナノ粒子(lipid nanoparticle)合成システムを使用して生成されたLNPの評価をDLSやcryoTEM測定などで行いました。
様々なTFRおよびFRR条件を使用して、直径60〜最大で250nmのLNPを合成しました。

キットに含まれているもの

マイクロミキシングチップ

水溶液/RNAとエタノール/脂質層を混合することでナノ粒子合成を行います。このキットにはマイクロ流体の性能からマイクロミキシングチップを使用しています。例えばフローフォーカシングマイクロミキサーはナノ粒子の受動的な核形成に利用することができます。適切なチップの選択についてもご相談ください。

Elveflowの脂質ナノ粒子合成システムのシステム構成

このコンプリートシステムには空圧源となるコンプレッサー以外の必要な機材が揃っています。

  • 2チャネルコントローラー
  • 流量センサーx2台
  • チューブ&フィッティング
  • 各種リザーバータンク

Case 2: マイクロ流体空間トランスクリプトーム

マイクロ流体を使って蛍光in situハイブリダイゼーションを行うことは、使用する溶液量を大幅に削減することができるので、実験コスト削減につながります。 またシステムを自動化すれば、結果の再現性をより向上させることもできます。

MERFISH / seqFISH用にアレンジされたElveflowの空間トランスクリプトミクスパックには、高精度に流量制御ができるコントローラーや複数の溶液を順次注入できるディストリビューションバルブ、シーケンス設定と自動制御を可能にするソフトウェアなど、重要な装置アイテムが含まれています 。

 このプラットフォームは、空間トランスクリプトミクスに使用する複数の異なる溶液を容易に送液することができ、さらに蛍光顕微鏡などの他の機器と同期することができます。 TTLトリガーを使用した実験との統合、またはSDKを介した直接的なソフトウェア統合については、弊社にお問い合わせください。
空間トランスクリプトミクス解析は、複数のマイクロ流体チップを並列に使用したり、複数のチャネルを備えたマイクロ流体チップを使用するなどしてさらに拡張することが可能です。

Elveflowの空圧式マイクロチャネルフローコントローラーOB1は、流量センサー(MFSまたはBFSシリーズ)と併用することで、フィードバックループ制御を実現し、パルスレスで高速応答の送液制御を行うことができます。 実験に悪影響を及ぼす可能性のある圧力スパイクのリスクがなく、安定した長時間実験に最適です。

マイクロ流体と蛍光in situハイブリダイゼーション

複数の遺伝子とその空間構成を観察するMERFISH(Multiplexed Error-Robust Fluorescence In Situ Hybridization)やseqFISH(sequential Fluorescence In Situ Hybridization)にマイクロ流体を応用することは効率的な方法です。なぜなら高価な蛍光試薬や 緩衝液の使用量を大幅に減らすことができ、生物学的用途および顕微鏡観察と非常に相性が良いツールです。 自動化されたシーケンスを実行して、溶液をセルに注入することができます。 さらに、Elveflowはマイクロ流体プラットフォームを統合し、コンパクトで使いやすくすることができます。

 このseqFISH法の前段階でも他のアプリケーション、例えばマイクロ流体を使ったシングルセルのカプセル化のようなシングルセルの分離などにもこの送液コントローラーをご利用頂けます。

Case 3: インジェクションバルブ 連続的なかん流培養などに

 

Case 4: かん流培養

生体細胞を培養するOrgan on chipなどに培地を灌流することができ、化学濃度勾配、流体せん断応力、複数のパラメーターを正確に制御することができ、生体内生理をより模倣することができます。

 

Case 5: 液滴生成

コントローラーOB1の高い性能と精度により、単分散性の高いドロップレットを生成することができます。