スポンジ付DNA採取キット(小児やお年寄りからの唾液採取)

Oragene® is a trademark of DNA Genotek Inc, Canada

写真:スポンジ付DNA採取キット Oragene OG-675

Oragene®・Discover(オラジーン・ディスカバー)は、唾液から高品質のDNAを簡単に採取できるキットです。OGR-675では、スポンジで唾液を吸収・採取し、チューブ本体の中に唾液を絞り落とします。スワブ(綿棒)で口腔内壁の細胞を採取する方法とは異なり、口腔内を擦らず、傷つけずに検体を採取することができます。

採取した検体は長期間室温で保存することが可能です。またOragene精製溶液(別売り)を使用することでDNAを抽出、精製することもできます。

 

*本キットは研究用試薬です。

DNA採取キット Oragene®・DISCOVER OGR-675の特徴

  • 0.75mLの唾液から平均で約17.3μgの高純度DNAの採取・抽出・精製が可能です
  • 唾液に含まれている白血球細胞由来のDNAを主に採取するため、細菌のDNAの混入割合が少なく、遺伝子解析(PCR、SNPs解析、マイクロアレイ、HLAタイピング、次世代シークエンサー、全ゲノム増幅など)に利用できます。
  • 室温で唾液を数年間保存することができます。(郵送で検体が送れ、保存コストがかかりません。4℃冷蔵での保存はお勧めしません。)※Orageneのチューブは凍結環境には対応しておりませんので、凍結用のチューブなどに移して保存してください。
  • DNA採取、保存、抽出、精製が行えます。(精製溶液は別売りです。)
  • 唾液を採取するだけなので、安全かつ簡単に採取することができます。血液採取ができない方、遠方にいらっしゃる方からのDNA回収が容易になります。)
  • 血液採取や綿棒を使っての口腔内細胞採取(スワブ)法のように体を傷つけず、非侵襲的に唾液検体を採取するのでDNA検体の提供が得られやすくなります。
  • キットの保存溶液により、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)を不活化できます。

DNA採取方法の比較

   血液  口腔内  
 採取方法  血液採取  スワブ  マウス
ウォッシュ
 OrageneDiscover
(OGR-675)
侵襲/非侵襲性   侵襲  侵襲  侵襲 非侵襲
 室温での安定期間  数日  数日  数週  数年
 細菌由来のDNA混入割合(中央値)  1%未満  90%以上  60%以上  6.8%(中央値)
DNA収量(中央値)   30µg/1mL  2µg/スワブ  35µg/10mL  17.3µg/0.75mL
 抽出DNAの分子量  >23kb  >23kb  <23kb  >23kb
室温での輸送 不可

上の表では血液採取やスワブ・マウスウォッシュなどよく利用されるDNA採取方法と比較しています。体を傷つける事なく多量のDNAを採取することが可能で、設備投資の必要がない室温で長期保存できる事が特長です。

従来の方法では数週間であった室温での安定期間は、Orageneにより数年まで可能となりました。スポンジでの唾液採取により、唾液を吐くことが難しい方からも検体を得ることができるので、ドナーを選ばず幅広い年齢層を対象としたコホート研究や、家族性の遺伝性疾患の研究のための検体集めなどに対応可能です。

Oragene®・Discover OGR-675

Step1 唾液を採取

画像:Oragene OG-575検体(唾液)採取方法 1
(1)頬の内側にスポンジを挿入します。歯茎と頬の内側に沿ってスポンジを優しく30秒間動かし、できるだけ多くの唾液をスポンジに吸収させて下さい。
画像:Oragene OG-575検体(唾液)採取方法 2
(2)スポンジに唾液が染み込んだら、漏斗のVノッチ(V字型の切れ込み)にスポンジを挿入します。Vノッチに対してスポンジをねじったり、押し付けたりして、スポンジから唾液を絞り出します。唾液はチューブの中に回収されます。
画像:Oragene OG-575検体(唾液)採取方法 3
(3)唾液がチューブ側面の充填ライン(FILL TOと表示)に到達するまで、スポンジを使用して約0.75mLの唾液を採取チューブに注入します。*1 使用前に、スポンジ自体が破損していないか確認してください。*2
画像:Oragene OG-575検体(唾液)採取方法 4
(4)チューブを片手で垂直に立てて、もう片方の手で漏斗のふたをカチッと音がするまで、 しっかりと閉めます。ふたの中にある保存溶液のシールが破れ、保存溶液がチューブ内に流れ込み、唾液と混ざり合います。
画像:Oragene OG-575検体(唾液)採取方法 5
(5)漏斗のふたが閉まっていることを再確認し、チューブを垂直に立てたまま、漏斗を外します。外した漏斗は廃棄します。
画像:Oragene OG-575検体(唾液)採取方法 6
(6)キットに同梱されている小さいキャップでチューブにしっかりふたをします。
画像:Oragene OG-575検体(唾液)採取方法 7
(7)ふたをしたチューブを約5秒間よく撹拌します。使用したスポンジは廃棄してください。

*1 唾液には泡が含まれている場合チューブの底を軽く叩いて泡を減らし、できるだけ泡のない状態で充填ラインまで唾液を採取してください。
*2 破損している場合は2本目の新しいスポンジを使用してください。

参考データ集

Step2 検体を保存する

参考データ集

Step3 検体を精製する

参考データ集

Step4 Orageneで得られたDNAを実験に応用する

参考データ集

*本キットは研究用試薬です。

画像:DNA  genotek

 


Oragene® is a trademark of DNA Genotek Inc, Canada